アコーディオン使用上の注意・ヒント

1) 湿気のあることに保管しない。 リードはスチール製で、さびやすいので、湿気を帯びる場所に長く保管すると一斉に錆びて、音が狂うほか、大変な修理代が必要となる場合があります。 押し入れに長く保管するなどは最悪。

2) 高温の場所に長くおかない。 リードブロックは蜜蝋で固定されているだけです。 高温の場所に長く置くと、蜜蝋が溶けて、リードブロックが外れて落ちてしまうことがあります。 この場合も、リードに溶けた蜜蝋がついたりすると、クリーニングも大変で修復に相当のコストがかかります。 夏場の車に入れっぱなしはかなり危険。 夏場の日向の路上演奏もほどほどに。

3) 振動を与えない。 アコーディオンは精密な機械装置です。 振動を与えすぎると、木製部品の破損、金属部品の変形などから、音がでないとか、様々な不具合が出る可能性があります。 ローラー付のキャリヤーでの運搬の場合は、空気調節ができるタイヤを履いたローラーがお薦めです。 ローラー付のハードケースもありますが、あくまで、スムースな床面を短時間移動するにとどめるべきです。もちろん、アコーディオンを投げたり、落としたり、乱暴に扱ってはいけません。

4) 潮風は大敵: 夏の海辺、ロマンチックなムードをアコーディオンで演出したいところですが、潮風、あるいは、塩を含んだ砂、どれも、リードの大敵で、さびや目詰まりから音が出なくなる、音が狂う、という場合があります。 潮風は避けましょう。

5) 湿気と関係しますが、暖房を使う冬場、クーラーを使う夏場、ともに、寒暖の差が激しい時には、リードが結露します。 結露すれば、リードが錆びます。 錆びれば音もくるうし、でなくなる場合もあります。 寒暖の差が激しいところでは、差が激し所にきたら、せいぜい空気を入れ替えて、結露を減らすようにしましょう。

6) 鍵盤のクリーニング: 鍵盤には指先の油脂やその他の汚れも徐々についていると、指の滑りも悪くなるので、定期的に、マイクロファイバークロスなどで、クリーニングしましょう。 指の滑りもまた良くなります。 

7) リストベルト(左手のベースについているベルト)は左手の腕の汗や油脂分がつきやすいところです。 ひび割れたり、硬化したり、すり減ったりしたら、交換しましょう。

8) アコーディオンの高音の部分にはほこりなどがたまりやすく、リードも小さいので、少しでもゴミが入ると音が出なくなることが多々あります。 また、最高音域は普段あまり使う機会が多くないので、目詰まりしていても気がつかないで長期に放置される場合もあります。そうなると、自然にはなかなか元に戻らなくなることがあります。 アコを使用する前と後には、必ず、いつもは多様しない音域、とくに高音域と低音域の鍵盤を右手で広く抑え、蛇腹の開け閉めを少し繰り返すとそのリードにゴミがつきにくいので、リードの目詰まりをかなり防げます。